4.石巻市内仮設住宅でのこころのケア活動

石巻市内仮設住宅でのこころのケア活動

急性期に、さいたまスーパーアリーナでの支援活動に参加できたことは、わたしたちに大きな力を与えてくれました。連携をするための情報の共有、その場に応じた流動的な対応、こころのケアに関するスキルの向上などは、被災地での支援活動にそのまま生かすことができました。

9月・10月・11月は、キャンピングカーを利用した『移動コミュニティカフェ』を、4泊5日で行いました。今回実施したテントでの足湯は、急性期の支援目的であった「生理的欲求」「安全欲求」から、「所属・愛情欲求」「自尊欲求」に移行していることを実感じました。わたしたちカウンセラーが行う足湯は、ノンバーバル・コミュニケーションです。言葉にならないこころの底にある声に耳を傾け、信頼関係を築いていく方法として足湯を基本に置いたことは、危機支援活動の実績のひとつになりました。

また今回は、挽きたてのコーヒーを提供するカフェを足湯の横で行いましたが、これは仮設住宅にお住まいの方々のコミュニティづくりに、役立てていただけたようです。被災者同士だからできる非常事態の語り合いをそっと見守り、日常生活を送るうえで必要となる助け合いの力が育つようじっと見守るという、「介入しすぎないつながり」を持ち続ける援助のしかたを、わたしたちは学ぶことができました。

12月からは気候を考慮して、公共交通機関と集会所を利用するこころのケア活動を実施しています。週末を利用した月1回の支援活動は、認定カウンセラー会が中心となって行っていますが、この他に、地元の看護師さんとの協働による支援活動が、月に2回、平日で加わりました。集会所での健康相談と一緒に足湯を行ったり、戸別訪問に伺ったりと、より必要に応じた活動に発展しています。これは、石巻市立病院と雄勝病院の巡回相談の看護師さんが、『移動コミュニティカフェ』を訪れてくれたことがきっかけとなっています。

発災から1年が経ち、いよいよカウンセラーによるこころのケアが必要になってきました。支援している方たちも、大きな被害に遭われている方が少なくありません。おそらく数年かかるだろう支援活動を、この先も細く長く続けることができたら、認定カウンセラー会にとっても貴重な歩みとなることでしょう。

特定非営利活動法人埼玉カウンセリングセンター

高倉 恵子

カテゴリー: 東日本大震災復興支援活動   パーマリンク

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